カラー戦略(カラーマーケティング)、ユニバーサルカラーのビジュアルカラー研究所(福岡)
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ユニバーサルデザインの色彩

【 ユニバーサルデザインとは 】

 人の能力や個性はさまざまです。性別、年齢、体格、身体的特徴、人種や国籍の他にも、性格、知識、趣味嗜好 など、それまでの人生経験で形成されてきたものなどそれぞれに違いを持っています。

 個性や能力に関わらず、あらゆる人にとって使いやすいデザインがユニバーサルデザインです。

【 色覚タイプ 】

 色の見え方にもさまざまなタイプがあります。
かつて少数派の見え方を色覚異常という呼び方をしていましたが 現在は色覚タイプと呼び方も変わり、色の見え方に違いがあることが知られるようになりました。

 代表的な第一色覚タイプでは男性で全体の約5%、小学校一クラス40人と考えればだいだいクラスに2人くらい の割合です。

 セミナーなどでこの話をすると「実は私もそうなんです」っとおっしゃる方にお会いすることも多くなりました。 それほど珍しいことではないないのですが見え方は他人にはわかりませんので気が付かないことが多いのです。

高齢視

 「高齢視」とは加齢と共に変化する視機能の低下で、老眼もその一つです。
高齢期には色の見え方にも変化があり、判別しにくい色や配色が出てきます。

見分けにくい色の組み合わせは安全性に関わり、美しく感じられない色は快適性を損なうばかりか感情の不安定さ をも引き起こしかねません。

 実はあまり知られていない高齢視のこういう機能の変化が高齢期を過ごす環境整備に大きく影響するのです。
なぜならば・・・老眼のようにメガネなどの補助器具では補えないからです。 たとえば・・・


共用品九州発行のメルマガに連載中「共用色彩コラム」に2005年3月掲載
【 高齢視を知ろう! 】

 人は約750万色から1000万色もの色の違いを見分けられると言われています。言葉で言える色の名前はせいぜい40色くらいでも実際に見ている色は素材の凹凸や光の当たり具合で微妙な違いを見せています。
そう思って回りを見回すと、たぶん今いる部屋の中でも数千から1万色ぐらいの色が存在するのですよ。

 ところが歳を重ねる内に、この見分けられる色の数は減ってきます。
そのため、素材感やモノの形状の違いがわかりにくくなるようです。
洗濯物に残った汚れや、洗ったお茶碗にご飯粒がこびりついていたりしても気がつかなかったり。そんなところにも影響してきます。

 高齢視になると、実際色の見え方はどのようなっているのでしょうか。
高齢視を体験する高齢視メガネを使ってみるとこのように見えます。

高齢視の見え方例

 ところで、実際高齢の方にどのように見えてますか?と確かめるのはとても難しいことです。
言葉で伝えても色紙で確認してもお互い見ている色が同じではないのですから。
ただ最近の研究でわかってきたのは、高齢視メガネで見るほど高齢者の方は違いを感じていないということです。
人間には環境に適合する、つまり慣れるという順応性が備わっているからでしょう。

 想像してみましょう。
茶色いサングラスをかけた時、はじめは周りのものすべてが茶色っぽく見えます。でもしばらくすると慣れてきて、茶色を感じなくなります。赤い花はいつもの赤い花に青い花瓶は青に見えています。
これは色順応と色覚恒常性。人間に備わった便利な機能ですね。

 さて、それならば特別に高齢者の色の見え方に配慮する必要はないのでしょうか。

 いいえ、そうではありません。
見る環境(特に暗い所)や、見る色の組み合わせによっては色の違いがわかりにくくなります。むしろ安全性や使う時の心地よさを考えれば高齢者の視覚特性にはもっと配慮する必要があると思います。


共用品九州発行のメルマガに連載中「共用色彩コラム」に2005年6月掲載
【 高齢者に危険な場所T 】

 今日はちょっと最近の出来事から高齢者にやさしい環境について考えてみました。

 先日の早朝、マンションの階段を一段踏み外し危うく捻挫しそうになりました。時間帯で自動消灯するようにセットされていて、朝5時に消えるのです。今の季節ですと朝5時は充分明るいのですが、 階段の踊り場付近は外の光が少ししか入らない構造なのです。
薄暗い中、私には最後の一段がフラットに見えたのです。

 確かに年々視覚の衰えは感じながら、それでもまだまだそこまではないと思っている私ですが、それでも若い時に比べて確実に明るさの感度が落ちているのを感じます。
実は高齢視って早い人では40歳くらいからすこしづつ症状がでてくるのですよ。

 高齢者は若年者のおよそ2〜3倍の照度が必要と言われていますが、実際照度を上げればかなりの高齢視の見え方を補助する事ができます。かと言って、すべての環境を煌々と明るくする必要はありませんし、 今度は眩しさに対応できないという高齢視のもう一つの特徴に悪影響を及ぼします。

 危険を回避するために、情報を正しく早く伝えるために、必要なところに必要な明るさを確保してあげる事・・・「共用品(サービス)・共用色彩は、まずみんなの不便や危険に気づく事から」と改めて感じます。


共用品九州発行のメルマガに連載中「共用色彩コラム」に2005年7月掲載
【 高齢者に危険な場所U 】

 今回は外に出て高齢者に危険な場所を検証してみました。
前回私は階段を踏み外した失敗を書きましたが、街にもやはり危険な階段がたくさんあります。

高齢者に危ない場所・階段  写真の階段は日中にデジカメで撮影したものです。
地下に降りる階段を上から見下ろした所ですが、いかがでしょう?
踏面が連続して見え、段鼻がわかりにくいですね。

 高齢視の黄変化した目で見るともっと暗くなるはずですからまったく段の境目がわからなくなるでしょう。
高齢者は奥行き感も衰えてくるため、さらに階段歩行は危険度が増します。
高齢者の骨折は寝たきりにつながる恐れがありますから、考えるとぞっとしますね。

 段鼻に色彩(色相差・明度差)でちょっと工夫すればそんな危険にさらされずにすみます。


共用品九州発行のメルマガに連載中「共用色彩コラム」に2005年10月掲載
【 高齢者に危険な場所V 】

  街に出るといたるところにホンのちょっとした段差があります。

  最近バリアフリー化が進んでいることがさらにその「ちょっとした」を増やして いるような気がします。
いっそ大きな段差ならば誰でも気をつけて歩いているの ですがほんの2cm〜3cmくらいは見た目にもわかりづらいですね。
そんなところで躓いて骨折でもすれば大変。寝たきりになる事さえあります。

  そして意外と気がつかない危険なところ。

  段差を無くそうと無理に後からつけたスロープ。変に急な角度がついていたり、 横方向にも斜めになっていたりするとバランス感覚の低下しているお年寄りには 危険です。

高齢者に危険な段差

  このようなわかりやすい視覚情報があるといいですね。
車椅子の人にも高齢者にもやさしいバリアフリー。
*写真はジュンク堂書店(福岡)


共用品九州発行のメルマガに連載中「共用色彩コラム」に2005年11月掲載
【 商店街ウオッチング 】

おばあちゃんの原宿で有名な『巣鴨地蔵通り商店街』

 高齢者が町に出て安心して買い物を楽しめるためのやさしさをたくさん発見しました。
トイレの利用頻度が増える高齢者に配慮して店内のトイレ設置は欠かせないもの。
誘導サインもわかりやすく目につくように工夫されています。

 一般的に駅やデパートなどのサインは上の方にあることが多いですね。 お店などでは奥の方にひっそりあったり(笑)
身体が前かがみになりがちな高齢者や車椅子の方にとっては上部にあるサインは見つけにくいものです。
堂々と見せることで(写真参照)、トイレだけの利用も遠慮なくどうぞというwelcomeな姿勢が感じられますね。

巣鴨商店街

 店先にちょっとした腰掛スペースがさりげなく設けられているのもうれしいものです。
一息ついたら、また元気にお店まわり。
店内のPOPやディスプレイーもハレの日を思わせる鮮やかな赤を中心に賑わいを演出しています。
お正月やお祭りなどハレの行事を大事にしてきた日本人のワクワク感を刺激する色遣いでした。

巣鴨商店街


共用品九州発行のメルマガに連載中「共用色彩コラム」に2005年11月掲載
【 高齢者の家庭内事故防止 】

 高齢者の家庭内事故は転倒、転落によるものが最も多いそうです。
年齢が高く なるほど大怪我になる事も多く、生活が不便になるばかりでなく骨折をきっかけ に寝たきりになる事もあります。階段からの転落、廊下や浴室での転倒防止には 手すりが欠かせませんね。

 さて、皆さんは手すりをつけるときどういう事に注意していますか?
身体を支えやすい位置、握りやすい形や太さ、感触などとともに色にもこだわっ てみてください。人間は視覚の動物と言われるように五感の内、視覚が最も発達 しています。中でも色が形よりも早く認識されます。とっさの時に瞬時にわかる 色でサポートしましょう。
動作がにぶくなる高齢者には特にわかりやすい色遣い が必要です。

くねくね手すり「クネット・ミニ」の紹介
―見つけた!いいもの―
クネットは動きに合わせて手首の角度が自然になるように設計されています。 握りやすく滑りにくい特徴も力の弱くなる年配者にとっては安心です。
(株)クネット・ジャパン
http://www.qunetto-japan.jp/


 インテリアを重視するとちょっと邪魔になる事もある手すりですが、どうせつ けるなら逆手にとって美しい配色でおしゃれにコーディネートしてみましょう。
たとえばベージュ系の壁ならば濃い茶色の手すりというように同系色で明度に差 をつけて全体のイメージに合わせながらも目立ちやすくしたり、逆に思い切って ビビッドな色でアクセントにしてみるのもいいですね。
(ただし、その場合は部 屋全体にあまりたくさんの色が氾濫しないように)

機能だけではなくインテリアにもこだわって地味になりがちな高齢者のお部屋も おしゃれで居心地のいい空間にしたいですね。

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